今日何気ないタイミングで昔、怒ってもらった人の事を思い出した。
年とともに怒られる事も少なくなるがこの仕事を始めたばかりの事は怒られてばかりだった。
プロダクションの仕事を始めて間もない頃、撮影会の仕事にモデルを派遣することになった。
そのモデルは青山がキャバクラでスカウトして来た子だった。
撮影会当日、新宿駅で待ち合わせたが
モデルが来ない!
電話も出ない!
これはまずい!
と始めての出来事にパニックになった。
あれほど昨日電話で確認をしたのに何故待ち合わせに来ない?
怒りと不安が同時によぎった。
結局、モデルの子は自宅に電話しても連絡が取れず現場に来なかった。
すぐに撮影会主催者さんのところへ向かい謝り、事情を説明する。
そして青山としては考え抜いた末のとっておきの代案を提示した。
当時、自分の事務所で一番人気のモデルを代役で出すのでこれでなんとか勘弁して欲しいと。
先方もきっと喜んでくれるだろうと内心思っていた。
しかし、先方の方からは意外な言葉でお叱りを受けた。
「青山さん、○○ちゃんを代役で出してもらえるのはうちとしては嬉しいけど自分の事務所の主力モデルをそんなに安売りしていいの?」
「今日、参加するカメラマンは今日のモデルを目当てに来ているんだよ」
一瞬、「はっ!」とした。
マネージャーとしてタレントの価値を高めないと行けない自分が自分でタレントの価値を落としている事に気がついた。
そして参加するお客さんの気持ち等何も考えていなかった。
何も考えずただこの場を納める事しか考えていなかった自分を恥ずかしく思った。
今となってはあの時に怒ってくれた人にとても感謝しているし、とても勉強させられた出来事だった。
この事件で学んだ誓ったのは、
タレントの価値を下げるような行為をマネージャーはしてはいけない。
相手の気持ちや状況をよく考える。
そして二度とキャバクラでスカウトはしない!と(笑)